化学メーカーで使える高分子の参考書5選

【エンジニアの仕事】 【就職】

化学メーカーで使える高分子の参考書5選

開発者のひよこさん
化学メーカーに入社して高分子の製品を扱うのでおすすめの参考書を知りたい。

こんな方におすすめ

  • 高分子のメーカーで使える知識を付けたい
  • ラジカル重合、アクリルなど全般の知識を付けたい
  • レオロジーもカバーしたい

そんな人に向けた参考書をご紹介します。

自己紹介

私は、物理系の大学院を専攻しておりまして、大手化学メーカーに入社しています。化学メーカーは現在2社目で、特に接着剤、フィルムなどの業界に約10年携わっています。

これまで、100冊以上参考書を読んできましたが、高分子の本には結構あたりハズレがあります。

実際の仕事で使えるおすすめの本をご紹介していきたいと思います。

高分子を学ぶなら、ラジカル重合、レオロジーの知識は必須

私は熱硬化樹脂、アクリル樹脂を使用した接着剤の開発に従事しております。接着剤ですのでもちろん高分子の知識も必要ですし、何よりレオロジーといった粘着、接着の物理の知識も必要となります。

  • お客様は粘着力が強い接着剤が欲しい。
  • UVでキレイに剥離したい。
  • UVでシッカリ固めて接着力を高くしたい。

など要望が出てきます。

こういった話はレオロジーの粘接着の話であるため、物理化学を知りつつ、高分子の知識を活かし、最終的に組成や高分子の構造に落とし込んでいきます。

場合によっては、相反する特性を両立して欲しいという要望ももちろん出てきますので、レオロジー、高分子の知識をつける必要があります。

参考書では、広く浅く知識をつけることが重要

参考書の知識は、実践的な内容ではありません。色んな人に知識を提供するため、幅広く知識がかかれています。

実際の業務や開発では、具体的なターゲットや期間があり、同じ部署の先輩や後輩はより専門性の高い知識をそなえていあますので本は流石に勝てません。

本で付けられる知識は、アイデアの引き出しを広げることです。

 

引き出しを広げてアイデアの源泉を参考書で蓄えることで、アイデアを社内の同じ部署の人とブラッシュアップして現実性、社内でのでの実現性を議論できるようにすることが重要です。

もちろん、ざっくり広くしたいももちろん重要ですが、どんなことが知りたいのか具体的にして目的の知識が付けられる参考書を探しましょう。

レオロジーならこの3冊

レオロジーの知識、粘接着には、界面の強さが重要です。一般的に言えば濡れ性、SP値、表面自由エネルギー、ファンデルワールス力などが例として挙げられます。

こういった知識を付けたい場合は下記の参考書が私の経験として有用でした。
もちろんアンカー効果や、糸曳きなどバルクの強度が接着に影響する内容も網羅されています。

レオロジー関連でわかりやすい著者は2人いまして、三刀 基郷先生、上田 隆宜先生となります。下記3冊は私も全て購入して読んでいますが、粘接着に関して体系的にまとめられており、非常に理解しやすい内容となります。

いずれも古い参考書になりますが、バランスよく学習できる参考書で、この3つだけあれば、レオロジーの主要な知識をすべて網羅することができます。

内容が濃く私含め、会社の同僚のお気に入りのラインナップとなります。(もちろんいずれの参考書も購入済みです。)

さらに詳しい内容が知りたい場合は、粘着で有名な日東電工さんのような企業の方が実施ているいるセミナーなどに会社から応募することがおすすめです。

SP値などの計算方法については下記のサイトで具体例を挙げながら記載されていますので周辺情報として参考になると思います。↓

https://nao-tokyo.jp/chemistry/how-to-predict-sp-value-with-fedors-method/

http://www.diced.jp/~KAZU/sp1.htm

 

高分子の知識をつけるならこの1冊

高分子、特にアクリル樹脂やラジカル硬化系の樹脂を扱う場合はこちらがおすすめです。

UV硬化の基礎と実践

幅広いラジカル硬化系の内容が含まれており、一冊で満足できる内容です。その他にも高めの料金設定のCMCライブラリーさんの参考書もありますが、そういったものよりこちらの方が高分子の開発には活かすことができました。

高めの料金のものは最先端の内容が狭い範囲で書かれています。

もちろん有用ではありますが、実際の開発の現場では、直近の課題解決に時間を要している場合が多く、最先端すぎた場合現状の課題解決に使えません。
すぐに活かせる知識や技術を見つけることが現実的な知識を付けることが開発者には有効と考えます。

参考書は初心者でもわかる書き方をしております。もちろん私も購入しています。

 

高分子を使用した製品を使用する顧客は機械屋さんであったり、高分子の知識がない場合が多々ありますので、どういった解釈で知らない人に伝えればいいのかなど伝え方の勉強にもなります。

本来は、もう少しラジカル重合などについて参考書をご紹介したいところですが、狭い分野であるため中々有用な本を書いている著者が少なくおすすめできる本も少なくなくなっています。

 

フィラーの活用知識ならこの1冊

接着剤、高分子には、強度を付与するためにフィラーを活用する場合も多々あります。

そういった場合に活用できる一冊がこちらです。

きちんと知りたい 粒子表面と分散技術

粉体の知識とともに、粉体を液体などに分散させる方法の知識が得られる。粉体の知識はほかに専門書があるが、この本はコンパクトにまとまっており、イメージ書かれているため、非常に理解しやすい内容です。

分散させるフィラーの表面処理の方法、分散させるための考え方、物理的に分散させる装置など詳しく書かれています。

もちろん私も過去購入しています。

 

エポキシ樹脂、その他熱可塑性樹脂材料

こちらに関しても色んな参考書を漁りましたが、残念ながら特段おすすできる手に取れる参考書は現状ありません。

ただ、エポキシや熱硬化型の樹脂に関してはCMCなど高い値段の参考書でわかりやすいものが多々ありますので、会社で購入して読んでみることがおすすめです。

 

参考書一覧

最後におすすめの参考書を整理します。

1:トコトンやさしい接着の本

2:測定から読み解く レオロジーの基礎知識 

3:接着の基礎と理論―図解でなっとく!

4:UV硬化の基礎と実践

5:きちんと知りたい 粒子表面と分散技術

業界地図

メーカーの情報、業界の力関係、年収、安定性など就活、転職するならまずは読んで欲しい本です。この本を読むことで、業界の大手を簡単に絞れます。

  • どんな企業があるのかわからない
  • そもしもメーカーの知識がない

そんな人に読んで欲しい良書です。

 

2024年度版 内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版

著者のもとには「添削を受けたあとのESが次々通るようになった! 」の声が続々届く。
「何を書けばよいか」から「どう書くか」までわかる、最強の実例集。
改善前と改善後の文例を比較しているので、ポイントがわかりやすい。
「書き方のコツ」も満載だから、オリジナルの回答もつくりやすい。
企業がチェックしているポイントや、ES内容を面接に生かす方法もつかめる。

■選考を通過する「書き方」
ほかの就活生とは一味違った印象を与え、読みやすいエントリーシートの工夫が満載! 手書きエントリーシートの実例も載っているので、これでもう「書き方」には迷わない!

■重要質問の回答例がわかる
174の「業界・企業別志望動機実例」と84の「自己PR実例」を収録!
企業が学生のタイプ別に「使える」実例を多数掲載しているので、参考にできる実例がかならず見つかります!

2023最新版 史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集

SPIの本をコレ1冊で十分です。

何冊もやればいいわけではなく、それよりも、エントリーシートの作り込み、面接対策をやりこみましょう。

私もDランで一部上場企業に就職しましたが、転職や就活時、1周やったくらいです。

  • この記事を書いた人

やっさん

・化学系メーカーで10年勤務 ・開発職と研究職を経験 ・大学はEラン ・大学院で有名大学にロンダリング ・化学卒関連のメーカー情報を発信中

-【エンジニアの仕事】, 【就職】
-, ,