
就職活動を行う際に気になるのが業界の将来性です。
本記事では化学業界の将来性について記載していきます。
目次
化学系メーカーの世界市場は堅調に成長傾向

世界規模の化学業界の成長は堅調で主に新興国向けへの市場規模が拡大しています。また近年10年スパンで見ても堅調に成長しています。
国内化学業界の展望は厳しい
国内の化学メーカは世界で通用する規模ではないのが現状
化学企業の売上の50%前後は大半は世界市場となります。世界で見た時に国内の化学メーカの規模はどの程度なのか確認します。
下記には大手化学メーカの売り上げ規模第20位まで記載しています。

世界規模で通用しているのは三菱ケミカル、住友化学、三井化学の3社のみです。では実際に収益はどうなっているのか確認しましょう。

上図の日本化学メーカを欧米の化学メーカを比較してみましょう。収益がマイナスではないものの、収益も5%前後となり欧米化学メーカの約半分です。今後競争力を高めていくためにさらなるM&Aなど業界の改変が進んでいいくものと思われます。
世界規模では日本の化学メーカは弱い。今後国内の業界改変は確実におきる
基礎化学と機能性化学で分けて考えてみる

基礎化学の現状は厳しい

基礎化学の売上の代表例のエチレンの生産量を見てみましょう。
近年は減産傾向です。また工場の老朽化、近年のアジアの最新設備導入した工場にはコストで太刀打ち出来ない状況です。
機能性化学(素材化学)は今後も競争力を維持できる

機能性化学の特徴として、ユーザー毎に要求が様々。それぞれ個別のサポートが必要なります。ですのでニッチで量産ラインが必要なため、ノウハウの蓄積がない新興国メーカの参入障壁は非常に高く、現状のメーカで競争を維持すると予想。

実際に1980年と2015年の主要化学のポートフィリオを比較すると機能性化学の比率が増加。基礎科学が減少。機能性化学メーカの需要増となると考えます。ただし、化学市場は新興国で増加していることからさらなる海外進出が必要。
各ユーザーへの個別対応が必要でノウハウがない新興国・新規企業の参入は厳しい。今後の機能性化学の競争力は維持できると考える
化学系メーカの将来性についての結論
・化学市場の規模は拡大傾向で明るい
・ただし以前国内化学メーカの競争力は世界規模では低い
・基礎化学より機能性化学の方が将来性は高いと考える